ドーピングが原因か? メジャーで本塁打激増が物議醸す
禁止薬物が蔓延しているのはロシアの陸上界だけではない。MLBにも同様にドーピング疑惑が浮上しているのだ。
今季のメジャーリーグでは本塁打数が激増。10日に終了した前半戦の本塁打数は1試合平均2.32本。昨季の1.90本から大幅に増えて、00年の2.56本に次ぐ本塁打数だという。
00年は後にドーピング違反が明らかになったサミー・ソーサ(当時カブス)が50本塁打を放ってホームランキングになった年だ。当時はマーク・マグワイア(カージナルス)、バリー・ボンズ(ジャイアンツ)らの強打者が競い合うように禁止薬物に手を出して本塁打を量産していた時代だ。
今季は開幕直後にマーリンズでイチローと同僚のディー・ゴードン内野手(28)のドーピング違反が発覚するなど、13人が禁止薬物で処罰された。
一発が増えて「筋肉増強剤を使用している選手が他にもいるのではないか」との疑惑が浮上しているが、MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは真っ向から否定。オールスターが行われているサンディエゴのペトコパークで会見した同コミッショナーは、MLBは年間22万件にのぼる薬物検査を実施していると明かし「本塁打数の増加が薬物によるものなら、違反者はもっと出るはずだ」と一笑に付した。本塁打数増は「打者が相手投手の配球を読むなど、打撃技術の向上も一因だろう」としている。
マリナーズ・岩隈(被本塁打18=ア・リーグ8位)、ヤンキース・田中(同10)ら一発を食らっている日本人投手にとって受難の後半戦になりそうだ。