飛び交う憶測 ゴルフトッププロ五輪欠場に“ドーピング説”
本当の理由は何なのか。
世界ランク1位のJ・デイや同4位のR・マキロイ、同8位のA・スコットらに続き、松山英樹(24)もリオ五輪の欠場を表明。それぞれ、ジカウイルス感染の懸念や治安の悪さ、直前のメジャー2試合と五輪後のプレーオフの過密日程を理由にしているが、その一方で「プロゴルファーはドーピング検査を嫌がっているのではないか」という声がある。
03年に罰則なしのドーピング検査を導入(04年から罰則あり)したメジャーリーグ(MLB)に比べて、米ゴルフツアー(PGAツアー)が検査を開始したのは08年7月とかなり遅い。しかも、MLBでは毎年ドーピング違反者が続出しているのに、これまでPGAツアーで処分された選手は、昨年のS・ストーリングズ(米国=3カ月の出場停止)で3人目なのだ。
米国ゴルフ事情に詳しいゴルフライターの吉川英三郎氏は「処分された選手が少ないのは、PGAツアーの検査が甘いからという話は以前からある」と言い、さらにこう続ける。
「PGAツアーが禁止薬物としてリストアップしているものと、IOC(国際オリンピック委員会)が指定している禁止薬物は100%同じではない。また、五輪に出場する選手はIOCなどに、居住地や宿泊地、ホテルなら部屋番号まで正確に伝えなくてはならず、選手自らが指定した60分の枠に、1年で3回不在なら1年以上の出場停止になる可能性もある。そのような検査が煩わしいと思っている選手がいることは間違いないでしょう」