ビッグ4の壁厚く 全仏8強止まり錦織「プロ10年目」の現実
やはり「ビッグ4」の壁は厚かった。
世界ランキング9位で第8シードの錦織圭(27)は、準々決勝で同1位のアンディ・マリー(30=英国)と対戦。1―3で敗れ、日本男子では1933年の佐藤次郎以来となる、84年ぶりの準決勝進出はならなかった。
勝負の分かれ目は第3セット。タイブレークにもつれ込むと、それまでとは別人のようにミスを連発。1ポイントも奪えずこのセットを落とした直後、ラケットを地面に叩きつけて悔しがった。
「2セット以降から少し焦りだした。一番悔いが残るのは(第3セットの)タイブレーク。もったいないミスばかりだった。集中力を持続して攻撃的にプレーできていれば、戦況は変わっていた」
こう語った錦織は今年でプロ10年目。マスターズ初優勝を再び目標に掲げ、「4大大会でも常にベスト4に入っていきたい」とも言った。しかし、相変わらず故障が多く、3月には右手首を痛めてバルセロナOPを欠場。マドリードOPも準々決勝のジョコビッチ(30=セルビア=同2位)戦を棄権した。この日の試合前にも、左の股関節を痛めているという情報があった。試合中は左足を気にするそぶりは見せず無事に戦い抜いたものの、マリーの粘りとタフなメンタルにはかなわなかった。