ビッグ4の壁厚く 全仏8強止まり錦織「プロ10年目」の現実
錦織はすでに27歳だが、「ビッグ4」が同じ年齢だった頃の戦績を見ると比較にならない。今年の全豪で5度目の頂点に立ったフェデラー(35=スイス=同5位)は、27歳の前に4大大会で12勝も挙げた。27歳当時は、全米、全仏、全英に優勝。ナダル(31=スペイン=同4位)も同11勝で、27歳時には全仏、全米を制覇。ジョコビッチも同6勝。27歳時には全英、全豪に勝っている。タイトルが最も少ない(3勝)マリーでも、27歳前に2勝を挙げている。もちろん4人とも、27歳までに何度もマスターズを制している。
そんな彼らは、過去10年(07~16年)の4大大会だけを見ても35勝。4人でタイトルをほぼ独占し、全仏に限れば、05年からナダルが9勝(4連覇と5連覇)と圧倒的な強さを誇っている。
つまり、「ビッグ4」のうち、1人でも衰えない限り、錦織は4大大会どころか、マスターズに勝つことさえ厳しいのが現実だ。
ところが、彼らが衰える前に、錦織自身が度重なる故障でランキングを落とし、グランドスラムのタイトルからも遠ざかっている。
日本中を沸かせた14年の全米準優勝からはや3年。あれ以後、昨年の全米ベスト4が最高成績だ。今後もファンの期待を裏切り続けることになるのか……。