恩師告発の代償 女子レスリング伊調馨は国内に居場所なし
伊調は現在、UWW(世界レスリング連合)のアスリート委員を務め、国際大会に頻繁に足を運んで、海外でのレスリング人脈を着々と築いている。世界各国の練習方法などの情報収集にも励んでおり、指導者への転身に向けて準備にぬかりはない。
海外での指導といえば、シンクロ日本代表の井村雅代現ヘッドコーチ(HC)の例がある。「日本シンクロの母」といわれる井村氏はロスからアテネまでの五輪6大会でソロ、デュエット、チーム合わせて計8個のメダルをもたらした。アテネ大会後、当時の水連幹部と指導方法を巡る意見の食い違いから、HCを辞任。中国ナショナルチームのHCに就任し、同国を表彰台の常連に育て上げた。その後、シンクロが弱体化した日本水連に請われて復帰した。
日本を追われることになりそうな伊調はライバル国のHCとして「打倒栄」に執念を燃やすことになる。