一抹の不安も…“就任秒読み”森保新監督の武器は人の良さ
■30年来の専属理髪店
ピッチ内外での「こだわり」はハンパない。たとえば「30年来の専属理髪店」がある。
長崎日大高を卒業した1987年、広島(当時マツダ=日本サッカーリーグ)に入団。たまたま入った地元の理髪店の主人と意気投合。判で押したように「月イチ」で通い、98年に京都に移籍してからは、理髪店の主人を京都まで呼び寄せて散髪していた。02年から2年間、仙台でプレーして現役を引退。さすがに仙台まで出張させることはなかったようだが、17年シーズン途中の7月に広島の監督を退いて10月に五輪監督に就いても、広島に行く機会があると理髪店に出向くという。
ピッチ内では「攻守によってシステムを切り替える」戦術にこだわりを持ち、広島時代の12年、13年、15年シーズンにJ1制覇を成し遂げている。07年9月、広島のコーチに就任。当時のペトロビッチ監督(浦和を経て現札幌監督)に攻撃サッカーの薫陶を受けた。
ペトロビッチの基本戦術は、3DFの前に守備的MF2人を置き、左右両サイドにウイングバックが入り、1トップの背後に2人のシャドーが入る「3―4―2―1」である。そしてボールを奪って攻撃に移る際、守備的MFの1人がDFラインに加わって4DFとなり、その前にもう1人の守備的MFがアンカー役を務めて守りに備える。