一抹の不安も…“就任秒読み”森保新監督の武器は人の良さ
他のウイングバック2人、シャドー2人、1トップの計5人が一斉に攻め入り、時に4DFの両サイドも攻撃に参加して<超攻撃サッカー>を展開することもある。
■攻守の可変システム
攻守によって選手の配置を変える<可変システム>を駆使しつつ、森保監督はチームに「高い守備意識」を植え付けた。
ペトロビッチ元監督はイケイケ系の指揮官で守備の練習時間が非常に短かった。しかし、森保監督は「足を使うサッカーはボールゲームの中で一番ミスの多い競技。チーム全体が連動しながら守ることが重要となる」という信念を持ち、練習中に「守りの意識を高めてほしい」と選手に口酸っぱく言い続け、Jリーグ3回制覇につながった。
「ただし懸念材料はあります」と元ワールドサッカーグラフィック編集長の中山淳氏がこう言う。
「ほぼ毎日指導できるクラブとは違い、代表では合宿など練習時間が限られており、可変システムを熟成させるだけの時間が取れない。あと両サイドの選手には、攻めては効果的なクロスが、守っては相手サイドアタッカーの動きを封じる役目が求められ、それに見合うだけの日本人選手が何人いるのか? さらに言うならば、広島が結果を残せたのもJリーグが<攻守の切り替えが遅い>傾向にあり、そこをうまく突いたから。国際舞台で森保監督のシステムが通用するのか、懐疑的にならざるを得ません」
さて日本代表で、どんなサッカーを見せるか?