涙の裏には両親の苦労も 大坂なおみを待つ「環境」の変化
父はなおみが3歳の時、4大大会でのウィリアムズ姉妹(ビーナスとセリーナ)のプレーに感動。自分の娘を「テニスで世界一にする」と決めて米国のニューヨークに渡った。なおみが小学校を卒業するとフロリダに移住。ジュニアの試合には出場せず、14歳でプロ転向。16歳のツアーデビュー戦で2011年全米OP覇者のサマンサ・ストーサーを破ってテニス界を驚かせた。
16年に4大大会の全豪、全仏、全米に初出場し、すべて3回戦まで進出。同年3月に世界ランク100位以内に入り、今年3月には、4大大会に次ぐ格付けのプレミア・マンダトリートーナメントのインディアンウェルズ大会でツアー初優勝。日本人女子によるマンダトリートーナメント制覇は初の偉業だったが、今回の全米女王はそれをはるかに上回る快挙だった。
日本でも米国でも周囲に笑われた「娘を世界チャンピオンに」という両親の夢は、11度目の4大大会で、くしくもテニスを始めるきっかけともなったセリーナを破り、現実のものとなった。優勝直後、娘をしっかり抱きしめた母はスタンドで号泣した。
大坂はこれにより世界ランクは初のトップ10入りで、1995年伊達公子の4位に次ぐ7位となった。