武田薫氏が指摘 “サプライズ女王”大坂なおみ「2つの不安」
テニスといえば今や大坂なおみ――錦織圭をしのぐ認知度の20歳はサプライズの女王だ。
演歌っぽい名前とは真逆に、ゴスペル歌手並みのアフロヘアを派手なバンダナで結って登場し、迫力満点に打ちまくる。
北海道出身の母、ハイチ系アメリカ人の父の間に大阪で生まれ、3歳から父親の家族がいるニューヨークに移った。
ジュニアの大会に出場しなかったこともあって馴染みは薄かったが、14歳でプロ転向。16歳のツアーデビュー戦でいきなり全米女王のサマンサ・ストーサーを倒し、18歳で初出場した4大大会はすべて3回戦まで進出した。
本領発揮が3月のBNPパリバ・オープンだ。4大大会に次ぐプレミアマンダトリー、伊達公子も勝てなかったビッグイベントでツアー初優勝を達成した。しかもシャラポワ、プリスコバ、ハレプら3人の新旧女王をストレートでなぎ倒し、7試合で1セットを落としただけのサプライズ。翌週のマイアミではセリーナ・ウィリアムズまで退けた。
時速200キロに届くビッグサーブが象徴的な武器だが、ショットの組み立てが巧みだからこその快進撃で、世界ランクは昨年末の68位から22位まで上昇している。大物不在のツアー状況に、メジャータイトルも十分に射程内で、チャンスはずばり9月の全米。ただ、心配も2点ほどある。