涙の裏には両親の苦労も 大坂なおみを待つ「環境」の変化

公開日: 更新日:

 現在の女子テニス界は全盛期のセリーナや90年代のS・グラフ(ドイツ)、70~80年代のM・ナブラチロワ(チェコスロバキア)、C・エバート(米国)のような圧倒的な力を持つ選手はいない。直近5年の4大大会(20大会)の優勝者を見ても、今月37歳になるセリーナが6勝でトップ。それ以外は、A・ケルバー(30・ドイツ)3勝、G・ムグルサ(24・スペイン)2勝、世界ランク1位のS・ハレプ(26・ルーマニア)、同2位のウォズニアッキ(28・デンマーク)らが1勝と混戦模様だ。

 これでライバルたちは大坂の研究に熱を入れることになるだろう。

「しかし、身長180センチ・69キロから繰り出すサーブやショットは大柄な欧米勢にひけをとりません。全米オープンのプレーを見れば、20歳で成長著しい大坂の時代が到来しても不思議ではない。でも、世界の頂点に立ったことで、今後は大坂の周囲はこれまでとはガラリと変わる。例えばマスコミです。14年に全米オープンで準優勝した錦織選手がそうだったように、新聞、雑誌の取材が殺到し、テレビ出演の依頼も増え、同じような質問をされる。4大大会では常に勝つことを期待される。契約を求める企業が多くなり、知らなかった業界の人もうまい話を持って寄ってくる。過去の言動から大坂は周囲にもてはやされて勘違いするタイプには見えませんが、ナイーブな性格です。試合中に泣き出したり、優勝スピーチでしどろもどろになったりと、幼さが残っている。今までと同じ気持ちでプレーできるのか、その点が懸念されます」(前出の塚越氏)

 今大会はベスト4まで駒を進めた錦織は優勝したジョコビッチに14連敗。まったく歯が立たず、全米オープン準優勝以降、4大大会では苦戦続きだ。大坂なおみはグランドスラムの優勝が当たり前の時代が来るだろうか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…