大船渡・佐々木がプロ重視なら…甲子園出場はむしろ足枷?
ラッキーな組み合わせ、と言うべきか。
26日、高校野球岩手大会の抽選会が行われ、佐々木朗希(3年)を擁する大船渡は初戦(2回戦)で遠野緑峰と当たることが決まった。盛岡大付とは準決勝、花巻東とは決勝まで対戦しない組み合わせ。ノーシードながら“良い山”に入った。
大船渡の国保監督は投手の酷使を嫌うが、夏の甲子園切符を手にするには6勝しなければならない。トントン拍子に勝ち進めば、佐々木の連投は避けられない。疲労や故障のリスクを懸念するプロスカウトたちは「予選で負けてくれ」というのが本音だろう。
一昔前まではエースには1人で何百球も投げぬくスタミナや体力が求められた。また、甲子園という大舞台に立つ経験値は唯一無二だといわれ、「甲子園出場はプロに行く条件」とさえいわれてきた。
しかし、近年は連投による肩や肘の酷使が問題視されるようになり、球数制限まで検討されるようになってきた。
実際、甲子園とは無縁だった高卒投手がプロ入り後、“長生き”した例は少なくない。例えば、日米22年で通算182勝を挙げた石井一久(45=現楽天GM)、NPB史上初となる50歳でマウンドに上がった山本昌(53)。ヤクルトの五十嵐亮太(40)や巨人の岩隈久志(38)はまだ現役を続けている。
大卒で成功した投手になると、甲子園未経験者はさらに増える。
佐々木自身は「チームみんなで甲子園に行きたい」と夢を語る。が、将来、プロ野球やメジャーで活躍したいなら、予選で敗退しても悲観することはない。