プロ野球「育成契約」選手が続々と支配下昇格 駆け込みラッシュのウラ事情
日本野球機構は30日、各球団の新たな支配下選手登録を公示した。例年より1カ月遅い31日の期限を前に、駆け込みでの昇格ラッシュが続いた。
2017年にドラフト1位で中大から巨人に入団した鍬原拓也(25)は昨年、サイドスローに転向したものの、8月の二軍戦で右肘の違和感を訴えて降板。右肘の肘頭骨折で手術を受けたことで、オフに育成契約となっていた。背番号も昨季の「46」を取り戻し、「ホッとしているのと、今まで以上にこれからもっと精進していかないとという気持ち」と前を向いた。
昨オフに巨人から戦力外通告を受けたDeNAの育成・宮国椋丞(29)も支配下選手となり、「率直にうれしい気持ち」と喜んだ。この他には、巨人・喜多隆介(23)、中日・石岡諒太(29)、ロッテ・植田将太(23)、ソフトバンク・渡辺陸(20)、オリックス・岡崎大輔(22)の計7選手が育成から支配下登録された。なぜ一斉に昇格となったのか。さる球界関係者がこう説明する。
「巨人の支配下選手はこれで上限の70人に達したが、今月の20日にはまだ3枠あいていたことで、日本ハムから中田翔を無償トレードで獲得できた。各球団は移籍期限ギリギリまで外国人を含めた補強やトレードを模索していることが多い。それでも話がまとまらなかった時は、最後の数日間で育成選手を昇格させて枠を埋めることがある。年俸が上がるので、球団によっては無理に70人にしないという選択をするケースもあるが、1人でも多く昇格させることで、他の育成選手のモチベーションを上げる狙いもあります」
つまり、駆け込み昇格の場合、戦力になるかは未知数ということである。