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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

米国経済の影響をモロに受けるマイナーリーグ…頼みの綱の広告収入も減少か

公開日: 更新日:

 もちろん、マイナーリーグの各球団は、広告の出稿やスポンサー契約の獲得などをはじめとして、さまざまな収入源の確保に努めている。球場のフェンスやコンコース、売店、あるいは球団ウェブサイト上での広告やラジオ中継の提供、来場者に配布する記念品へのロゴマークの刻印、さらに家族席や団体席の命名権など、さまざまな選択肢を用意して一社でも多く契約を獲得しようとしている。

 球場のフェンスの広告の場合、年間5000~1万5000ドルが相場である。約3時間にわたり多い時で8000人近い観客に訴求できることを考えれば、大リーグの球場に出すよりも手ごろな広告となる。

 それでも、来場者数の回復が力強さを欠けば、企業が広告を継続する意欲を失いかねない。

 何よりITや建設業を中心として高い水準で人員整理や採用の抑制が進むのが、現在の米国経済である。

■景気後退への懸念

 この背景には、米国内での景気後退への懸念や、連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利上げの継続による金融引き締めがあり、23年にかけてより人員削減が増える可能性がある。

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