ドジャース大谷が本気で狙う「10連覇構想」にこれだけの死角…投手も野手も不安山積、さらには金銭苦まで

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鬼門はポストシーズン

 2001年にワールドシリーズを制したダイヤモンドバックスは、翌02年も地区優勝。レギュラーシーズンはランディ・ジョンソンとカート・シリングの2人で47勝。ジョンソンはこの年、投手3冠を獲得して4年連続のサイ・ヤング賞を受賞するも、カージナルスとの地区シリーズ初戦に先発して6失点と打ち込まれて敗戦投手に。チームは3連敗し、プレーオフ初戦で姿を消した。

 ヤンキースのスタインブレナー・オーナーは先日、ドジャースの金満補強について、「彼らと同じことをやれるかといったら、ほとんどのオーナーが難しい。あれだけの大金を投じ、結果につながるか。ポストシーズンはどんなことだって起こり得る。過去に何度も意外な結果を見てきた」と言った。これ、やっかみ以外の何物でもないのだが、「ポストシーズンが意外な結果」になるケースが多いのは事実だ。

■後払いで経営破綻

 ふたつ目の死角は野手陣だ。

 大谷、ベッツ(32)、フリーマン(35)のMVPトリオは、いまが選手として最も脂が乗っている時期。トップクラスの実績があって、なおかつ精神面でもチームの支柱となっている彼らは、いずれもベテランの域に入りつつある。今後9年間、バリバリやれる保証はどこにもない。

 遊撃はデレク・ジーター、中堅はバーニー・ウィリアムズ、捕手はホルヘ・ポサダ……守備の要のセンターラインに生え抜きを配し、他球団を圧倒した黄金期のヤンキースですら、1998~2000年のワールドシリーズ3連覇が限度だった。

 ドジャースが補強のために乱発している後払い契約の総額は1500億円超に膨れ上がっている。莫大な借金を返済するためには、勝ち続けることでファンを球場にクギ付けにする以外にない。そのために大金を投じて選手を補強し続ける──。つまり借金返済のために、さらなる借金を重ねるスタンスはもはや後戻りできない。

 前出のダイヤモンドバックスは後払い契約を連発することでジョンソンやシリングらを獲得。球団創設4年目にしてワールドシリーズ制覇の快挙を成し遂げたものの、利息を含めた返済義務が生じる後払いが足かせになって経営破綻した。

 スター選手をかき集めて我が世の春を謳歌しているかに見えるドジャースも“宴の後”が訪れる可能性はあるのだ。

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