ドジャース大谷が本気で狙う「10連覇構想」にこれだけの死角…投手も野手も不安山積、さらには金銭苦まで
大谷翔平(30=ドジャース)は本気だ。
移籍1年目でワールドシリーズを制したと思ったら、「あと9回」世界一を目指すという。日本時間2日のファンフェスタで、「心の底から本当にそう思っていますし、そうするつもりで契約しているので。あと9回、僕がいる契約の中でできれば最高だと思っています」と言ったのだ。
■総年俸は600億円
実際、ドジャースの戦力は、ワールドシリーズを制した昨季以上に厚くなった。
先発はサイ・ヤング賞2度のスネル(32)に加えて佐々木朗希(23)を獲得。昨季、故障で離脱していたメイ(27)とゴンソリン(30)が復帰するうえ、大谷も投手として戻ってくる。サイ・ヤング賞3度のカーショー(36)との再契約も確実視されていて、山本由伸(26)とグラスノー(31)が中心の先発陣はすでに飽和状態だ。
おまけにリリーフで大谷キラーのスコット(30)と、昨季レンジャーズで33セーブのイエーツ(37)を獲得した。
現時点でぜいたく税の対象となる総年俸は2位のフィリーズ(約480億円)に大差を付ける600億円超に膨れ上がり、他球団の編成担当者がタメ息を漏らしているほどなのだ。
しかし、だからといってドジャースが今後9年間、ワールドシリーズを勝てるとは限らない。死角のひとつは前述の先発陣だ。
先に挙げた8人の先発候補は、すべて故障持ち。昨季、シーズンを通してローテーションを守った投手はひとりもいない。
だれかが故障離脱しても、だれかがその穴を埋める青写真だろうが、長いレギュラーシーズンはともかく、短期決戦のプレーオフで先発の駒が揃う保証にはならない。
昨シーズンがいい例だった。
ドジャースは開幕から先発陣に故障者が続出。7月末のトレードで先発を補強しながら、それでもポストシーズンで駒不足に。
リリーフ陣を小刻みでつなぐブルペンデーを多用、破壊力抜群の打線で打ち勝った末につかみ取った世界一だったからだ。