『「NHKを国民から守る党」とは何だったのか?』選挙ウォッチャーちだい著/新評論(選者:佐高信)
立花孝志を礼賛して増長させた責任ある面々
『「NHKを国民から守る党」とは何だったのか?』選挙ウォッチャーちだい著/新評論
兵庫県議会議員だった竹内英明を自殺に追い込んだ「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志がなぜ捕まらないのかと思っている人は多いだろう。兵庫県知事選挙に立候補し、もっぱら現知事の斎藤元彦を応援した立花は、国会に出てこないガーシーを当選させた人物でもあった。
そんなトンデモナイ男の立花をホリエモンこと堀江貴文が絶賛してきた。
立花と正面から闘ってきた著者によれば、堀江は「立花さんは相当優秀な人物だ」と言い、「泡沫でも勝ちやすい参院比例や地方議会を狙い撃ちにする戦略がスゴい」とか、「奇行に見えてもすべて計算ずくだ」「頭良すぎてヤバい」と持ち上げてきた。
それによって「あのビジネスに長けたホリエモンが言うのだから」「立花は実はイロモノではなく、切れ者」などという評価が流布してしまったという。
しかし、堀江と立花は双生児のように似通ったヤバいイロモノである。そんな堀江を田原総一朗や竹中平蔵、それに茂木健一郎らが礼賛して増長させた。今度の立花騒動に田原たちも責任がある。2019年夏にマツコ・デラックスがN党を「気持ち悪い」「ちょっと宗教的な感じもある」と批判し、激高した立花が「マツコ・デラックスをぶっ壊す!」と叫ぶといった騒ぎもあったが、田原や竹中はマツコを見習えと言いたい。
立花は自らが代表となって「ホリエモン新党」を発足させたが、もちろん、堀江の次のような指摘にも賛成しているのだろう。
堀江は「稼ぐが勝ち」(光文社)で、こう書いている。
「誤解を恐れずに言えば、人の心はお金で買えるのです。女はお金についてきます。僕がこう言うと、『そうなんだよね』と言う人でも本当に理解しているかは疑問です。例えばビジネスで成功して大金を手に入れた瞬間に、『とうてい口説けないだろうな』と思っていたネエちゃんを口説くことができたりする。その後は芋づる式です。要するにネエちゃんの話を聞いた女の子たちが集まってくるわけです」
これほど女をバカにした発言もないだろう。私は「女に選挙権は要らない」と主張したビートたけしを連想したが、こんな下卑たたけしやホリエモンが連日のようにテレビに出て、少しでも政権批判をするコメンテーターは退場させられる。おかしいのはフジテレビだけではない。堀江は立花を「政界の秋元康」と称賛したこともあるが、秋元も堀江や立花の仲間なのか? ★★★