本の森
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ローマ教会が思想統制で禁書目録を作成
今年は宗教改革の開幕を告げるルターの「95カ条の提題」が公開されてからちょうど500年。その「提題」はわずか14日ほどでドイツ全土に行き渡り、その1517年から1530年の間に、「提題」を含むルター…
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アフリカのある国で新しい地図を頼んだら…
もう40年ほど前だろうか。こんな話が伝わってきた。西江雅之という人は、英語の本をドイツ語に訳しながらフランス語で会話ができるんだ、と。当時既に気鋭の文化人類学者であり、数十の言語に通暁している言語学…
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平安時代の宮廷医が朝廷に献上した医学全書
シャンポリオンのロゼッタ・ストーンの解読に至る物語は、ミステリーの謎解きのような知的興奮に満ちているが、我が国最古の医学全書である「医心方」の解読もまた困難を極め、著者が40年の歳月を費やし、201…
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思想家・藤田省三の批判精神の楽屋裏
1960年代末~70年代初頭の大学闘争のときに、大学当局の対処の仕方に抗議して、自ら大学を去った、あるいは大学から追われた学者たちがいた。 たとえば、同志社大学の哲学者・鶴見俊輔、国際基督教…
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後世の加筆分を徹底検証した大著
新約聖書の「ヨハネの黙示録」はデューラーをはじめとする多くの画家たちが画題として取り上げ、中に登場する「蒼ざめた馬」をタイトルにしたアガサ・クリスティとロープシンの小説も有名。 それらにイメ…
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日本語のオノマトペ数は2000語以上!
本書はこんなフレーズから始まる。「イギリス人は動詞で泣く、日本人は副詞で泣く」。はて、どういうことか。cry、weep、sob、blunder、whimper――いずれも「泣く」を意味する英語の動詞…
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「死亡偽装」の先にある異様な世界
取り返しのつかない失敗をやらかしたり、苛酷な状況に追い込まれてしまったとき、誰しも人生をリセットしたいという思いが頭をよぎるのではないか。 リセットする手っ取り早い方法は、時間をさかのぼって…
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子どもが「死ぬ」を「死む」と言い間違える理由
「か」にテンテン(濁点)がついたら「ga」だよね、「さ」にテンテンがついたら、そう「za」だね。それじゃ、「は」にテンテンがついたらなーんだ? 文字を覚えたての子どもにこんな質問をすると、「ga」とか…
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主人公は書架に住んでいる推理作家の“複生体”
奇想とは、普通では考えつかない奇抜な考えのことだが、本書を読み始めてすぐに「蔵者」という言葉が出てきて思わず首をかしげたが、読み進めていくうちに、なるほど、と思うと同時に、よくぞこんな設定を考えつい…
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本を集める真の意義は「自由」の象徴
もう40年近く前のことだが、「真空地帯」「青年の環」などを書いた作家、野間宏の東京・小石川の自宅を訪れたことがある。玄関を入るとすぐ目の前に階段がありその両側に本がうずたかく積まれていて、部屋のあち…
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「する」でも「される」でもない中動態
表題にある「中動態」とは、かつてのインド=ヨーロッパ語族に存在していた「態」で、能動態と共に動詞体系を形成していたが、ある時期以降受動態に取って代わられ、現在は使用されていない――と書いても何のこと…
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あえて事件の「真ん中」から語る異色作
ミステリーのジャンルのひとつに倒叙ミステリーがある。最初に犯人が明かされ、そこから遡って犯行に至る過程、犯行の動機などが徐々に明かされていく手法で、「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」などでお馴染みだろ…
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解説も楽しい50年ぶりの新訳
「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人か言い当てて見せよう」「新しい料理の発見は人類の幸福にとって天体の発見以上のものである」「チーズのないデザートは片目の美女である」――これらのアフ…
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「感性」の変容でたどる戦後昭和史
「ここは広場ではありません、通路です。立ち止まらないでください――」久しぶりにこんなフレーズが蘇ってきた。そう、新宿西口地下広場でギター片手にフォークソングを歌って反戦を訴えていた「フォークゲリラ」を…
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傷を負った人の声を拾ったオーラルヒストリー
ひとから話を聞き出すというのは、なかなかに難しい。ことに現代のように、SNSなどによる発信優先社会では、ひとの話に耳を傾けることはおろそかにされがちだ。また、世に出ている聞き書きやインタビューの本も…
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ルターの「提題」以後を簡潔に説明
今から500年前の1517年10月31日、神聖ローマ帝国の修道士マルティン・ルターは、ローマ教会が発行する贖宥状(しょくゆうじょう=日本では免罪符として知られるが、正しくは、罪を免れるのではなく、科…
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故郷を追われた中東の秘教の今
先日、IS(イスラム国)の最大拠点のモスルが陥落したと報じられた。モスル周辺はヤズィード教というゾロアスター教以前のイラン系多神教の末裔である宗教を信仰している人々の居住地域であった。 ヤズ…
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吉田松陰も読んだ江戸時代の禁書
聖徳太子の存在に疑義が呈されたり、鎌倉幕府の成立は1192年ではなく、頼朝が諸国に守護・地頭を置く権利を得た1185年説が有力となったり、近年、日本史の教科書の記述が変化している。 江戸時代…
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ニュー・ジャーナリズムの巨匠の戸惑い
ゲイ・タリーズといえば、ニュー・ジャーナリズムの旗手として有名だが、中でもアメリカのセックス革命を赤裸々に描いた「汝の隣人の妻」は大きな評判を呼んだ。 その「汝の隣人の妻」刊行前の1980年…
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眼の確かさに思わず笑み
埴谷雄高から、「天衣無縫の文章家」と称えられた武田百合子が亡くなったのは1993年5月27日。もう四半世紀近く経つ。それでも「富士日記」をはじめとするその著作はいまだに読み継がれている。とはいえ、本…