本の森
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「文字と組織の世界史」鈴木董著
1957年、梅棹忠夫は「文明の生態史観」で新しい文明史モデルを提示し、大きな反響を呼んだ。梅棹は従来の西洋と東洋という区分ではなく、ユーラシア大陸の両端にある西ヨーロッパと日本を第1地域、間に位置す…
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「学校では教えてくれない世界史の授業」佐藤賢一著
このところ「世界史」に関連する本をよく目にする。政治・経済・文化その他、あらゆる場面でグローバル化が進み、いや応なく世界に組み込まれている現状の表れだろうか。ともあれ、よく考えてみると「世界史」とい…
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「丸山眞男集 別集第四巻 正統と異端一」丸山眞男著、東京女子大学丸山眞男文庫編
1970年代の初め、大きな書店の棚の一角に函(はこ)入りの「近代日本思想史講座」(筑摩書房)が並んでいたのをよく覚えている。函の背にシリーズタイトルが墨文字で記され、下方に赤い算用数字で巻数が示され…
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「日本のヤバい女の子」はらだ有彩著
昔話を換骨奪胎したものとしては、太宰治の「お伽草紙」が有名だが、昔話というのはよく読んでみると、ツッコミどころが多いことがわかる。たとえば福沢諭吉は「桃太郎」に対して、鬼ケ島から財宝を奪ってきたのは…
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「鳥!驚異の知能」ジェニファー・アッカーマン著 鍛原多惠子訳
英語の鳥頭(bird brain)は、愚かな人、間抜けな人、落ち着きのない人を指すそうだが、日本でも「鶏は三歩歩くと忘れる」ということわざがあるように、鳥は脳が小さく、賢くないというのが万国共通した…
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「不道徳お母さん講座」堀越英美著
2018年度から、小学校で「道徳」が正式な教科となり、家族愛、勤労と公共、正直誠意、礼儀など22項目を教えることになった。しかし、本書の著者がいうように、官僚のセクハラを訴えた女性記者の行為を「ある…
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「『ふつうのおんなの子』のちから」中村桂子著
いつの頃からか、日本を軍隊を持つ「ふつうの国」にしようという声が強まってきた。どうやら、憲法によって戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を規定している日本は「ふつう」じゃないと考える人がいて、現在政権の…
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「現代社会はどこに向かうか」見田宗介著
先日、内閣府が公表した「国民生活に関する世論調査」によると、現在の生活について「満足」と回答した人が74・7%で過去最高となり、満足と答えた割合は20歳代の男女の比率が高い。本書によれば、1950~…
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「向こう半分の人々の暮らし」ジェイコブ・リース著、千葉喜久枝訳
つい先頃、トランプ米大統領が自身に批判的な主流メディアを「敵」と名指ししたことに対し、全米350以上の新聞社が、報道の自由を訴える社説を一斉に掲載した。米国ジャーナリズムの心意気を示すニュースだが、…
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「歴史は実験できるのか」ジャレド・ダイアモンドほか編著 小坂恵理訳
タイトルを見たとき、首をかしげた。すでにある歴史をどうやって実験するのだろうか、と。ここでいう「実験」とは、自然実験あるいは比較研究法と呼ばれる手法で、現実に発生していたあるシステム同士が「多くの点…
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「ゲッベルスと私」ブルンヒルデ・ポムゼル、トーレ・D・ハンゼン著、石田勇治監修 森内薫ほか訳
黒縁の眼鏡をかけ、顔じゅう深いシワが刻まれた103歳の女性は、思いのほか力強い声で語る。「今の人はよく言うの。“私ならあの体制から逃れられた”“絶対に逃げた”」。そして左右の拳を固く握りしめ、「ナイ…
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「性の進化史」松田洋一著
自民党の某議員が、LGBTのカップルは子どもをつくらない、つまり生産性がないのだから、彼ら彼女らに税金を使うのはいかがなものかと疑問を呈したことに対し、内外から大きな批判が寄せられている。加えて、同…
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「女になる方法」キョトリン・モラン著、北村紗衣訳
イギリス中部にある中規模都市ウルヴァーハンプトンのワーキングクラスの家で育った女の子。家は貧しく、6人きょうだい(その後8人に)の長女、体重は80キロを超え、男の子たちは彼女を見ると石を投げる。そん…
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情動的な共感が倫理的な判断を誤らせる
私は共感に反対する。本書の目的の一つは、読者も共感に反対するよう説得することだ――。 のっけからなんとも過激な言葉が飛び出てくる。共感とは他者の立場に身を置いたり、他者の苦痛を我がことのよう…
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「パンと野いちご」山崎佳代子著
「7つの隣国、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、そして1つの国家」と形容されたバルカン半島の多民族国家・旧ユーゴスラビアは、1991年に始まる内戦によって崩壊した。 …
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「憎しみに抗って」カロリン・エムケ著 浅井晶子訳
「出てけ、出てけ」と怒号が飛び交う中、顔を歪ませた少年がバスを降り、最前列の2人の女性は恐怖におびえながら肩を寄せ合う――。ドイツ東部ザクセン州のクラウスニッツにバスで到着した難民たちを住民100人余…
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「初代『君が代』」小田豊二著
このところ、映画「君の名は。」の主題歌「前前前世」が大ヒットした人気ロックバンドRADWIMPSの新曲「HINOMARU」が物議を醸している。「気高きこの御国の御霊 さぁいざゆかん 日出づる国の御名…
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行政府より立法府を優位に位置づけた私擬憲法
今年は明治維新から150年ということで、政府は関連施策を推進・計画しているが、盛り上がりはいまひとつ。50年前も明治百年記念式典が行われたが、そうした政府のお手盛り行事に対して、侵略戦争も含めて明治…
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赤い鳥とオフコースが新宿厚生年金会館で優勝争い
1971年7月28日、日比谷野外音楽堂は異様な空気に包まれていた。 “フォークの神様”こと岡林信康が「自作自演コンサート 狂い咲き」と称し、デビュー以来4年間に作った全32曲を歌うという特異な…
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女性たちが闘いとってきた「自身の存在価値」
福田前財務事務次官のセクハラ事件に対して多くの女性たちが抗議の声を上げたが、上野千鶴子は、その抗議の中に「家父長制と闘う」「ジェンダーの再生産」「自分を定義する」といった女性学・ジェンダー研究の学術…