石倉三郎 大いに語る
-
一事が万事でいい加減に生きてきた 修羅場の数は負けない
三郎のように半世紀以上も芸能界にいると、思わぬことに遭遇する。 「かみさんと婚姻届を江東区役所に出しに行った時、保証人の署名と捺印をもらうのを忘れちゃった。出直すのも面倒だから、順番待ちしてた…
-
「づめさんくらいうまい役者の芝居を見ると情けなくなる」
俳優として高い評価を得るようになった三郎は、共演者と親しくなることも多い。中でも気が合ったのは橋爪功である。「づめさん」「サブちゃん」と呼び合う仲だとか。 「ドラマで共演した俳優座出身の細川俊…
-
長渕剛に「テレビの歌番組には出てないね」と言ったら…
三郎とコンビ別れしたレオナルド熊も、俳優として「北の国から’87初恋」などのドラマに出ていた。しかし、役者としては三郎にかなうわけがない。 「芸人時代に荒稼ぎした金をしっかり残して、目黒の一等…
-
「石倉さん、陛下がお泊まりになった部屋はどうでしたか」
三郎と高倉健との縁はなおも続く。 健さんの遺作となった「あなたへ」(2012年)には、志願して出演したのだ。 「降旗康男監督に直訴して出してもらった。ロケ先の長崎県平戸市に着いたら、健…
-
高倉健さんが結婚祝いにロレックスの腕時計を届けてくれた
三郎が東映をやめた時点で、紹介者の高倉健とは縁が切れたはずだった。久しぶりに健さんの方から連絡があったのは、コント・レオナルドが売れっ子になった後だという。 「いきなり『高倉です』って家に電話…
-
「九ちゃん死亡」同日の紙面に自身の婚約記事 悲しい偶然
レオナルド熊の度重なる裏切り行為に、三郎は堪忍袋の緒が切れた。 「会ってぶん殴る気でいたけど、土下座して、『三郎さん、コンビを続けて下さい』って頼むんだ。いつもサブって呼んでるのに、何が三郎さ…
-
大人気になったコント・レオナルド 年収40万→4000万円に
コント・レオナルドの持ちネタの中で、三郎が好きだったのを聞いてみた。 「俺が交番の警官で、ニッカーボッカー姿の労務者の熊さんが酔っぱらって絡むネタだね。若い頃から俺はしょっちゅう警官に不審尋問…
-
熊さんから「サブちゃん、また一緒にやらないか」と誘いを
1981年当時、コント・レオナルドは、レオナルド熊と彼の弟子のひとり、ブッチー武者のコンビだった。 「テレビで見て、『へー、熊さん、またやってんだ』と思ったね。それから間もなく、熊さんから連絡…
-
休憩時間にたけちゃんが「ちょっとその辺で飲まない」と
1979年、三郎と熊が組んだコントコンビの名はラッキーパンチ。それに合わせて、ラッキー熊、パンチ三郎と改名した。当時、演芸評論家になりたての私が追いかけていた漫才、ツービートのたけしから三郎を紹介し…
-
知り合った役者に「稼げる」と説得され32歳で芸人デビュー
舞台のエキストラをやめた三郎に声を掛けてくれたのが、人気歌手の坂本九だった。 「九さんはコマ劇場の公演の時に俺を可愛がってくれてね。やめたと聞いて、『ショーの司会をしないか』って声を掛けた。俺…
-
「この野郎!」東映の大部屋を差配するボスを殴っちゃった
高倉健の紹介で入った東映の大部屋だったが、そこは楽しいことより、つらいことの多い職場だった。 「今日があって、明日がない暮らしですよ。今日の撮影に出られても、明日もあるとは限らない。たまにセリ…
-
高倉健さんの「東映に来るか」の誘いで役者の道へ
三郎は1946年12月、香川県小豆島で生まれた。小学生の頃から映画が大好きな少年だった。映写技師の長兄が働く映画館に通い、3本立ての映画を見ていたという。 「夢中になったのは、なんてったって東…
-
舞台俳優は腕がしっかりしてないと通用しない、日々勉強
刑事、気のいいおじさん、時代劇の悪役と、幅広い演技で映画、テレビドラマなどで活躍する石倉三郎。彼が元コント・レオナルドという芸人だったことを知らない人が多い。今回は三郎の波乱に満ちた芸人渡世と俳優人…