高倉健さんが結婚祝いにロレックスの腕時計を届けてくれた
三郎が東映をやめた時点で、紹介者の高倉健とは縁が切れたはずだった。久しぶりに健さんの方から連絡があったのは、コント・レオナルドが売れっ子になった後だという。
「いきなり『高倉です』って家に電話があってね。物まね芸人の友達が何人もいたから、そいつらの誰かがふざけてかけてきたと思ったら本物なのよ。『売れたなあ。よかった。おめでとう』って言ってくれた。うれしかったねえ」
その時の三郎の感激度合い、想像に難くない。
「それで、結婚披露宴の招待状を出したんだけど、その日は外国に行ってるとかで欠席の返事があった。帰国した日に成田から電話があって、『出られなくて悪かったな。これから結婚祝いを届けに行くよ』って言うんであわてたね。かみさんと部屋を掃除して、健さんが好きなコーヒーを用意してた。その夜はどしゃ降りで、夫婦してマンションの玄関先に出て待ってると、ジープが止まって、運転手は健さんが可愛がってた小林稔侍さんでした。健さんがジープを降りて、『結婚、おめでとう!』って、ロレックスの腕時計を渡された。『部屋に上がって下さい』と言ったら、『ここで失礼する』とジープに乗り込んで、雨の中を去って行きました」