公開日: 更新日:

 20万年ほど前に地球上に出現してから、ほとんど変化をしていない現生人類は、いわばアップグレードが起きていないバージョン1・0。ゆえに私たちは、野生に暮らすように設計されていて、農耕や文明などの飼いならされた生活が病気や不幸をもたらしていると指摘する。多くの病気や健康障害は文明病であり、文明は穀物の栽培とそれへの依存に始まると、栄養の75%を炭水化物から摂取している現代人の食生活に警告。

 その他、山の中を走るトレイルランニングや自然免疫細胞を増やす自然の中に身を置くことの大切さなど、野生生活にこそ身体的・精神的な幸福が宿ることを説く。

(NHK出版 2200円+税)

■「『育つ土』を作る家庭菜園の科学」木嶋利男著

 食の安心・安全を追求する人が行き着く家庭菜園のための土作りを解説したガイドブック。

 生き物の宝庫である土の中には、1グラムあたり30億個もの微生物が生息しているといわれる。大気中の窒素を取り込んで、植物が利用できる有機物に変える微生物「窒素固定菌」など、土と生き物の関係を紹介。深く均一であったほうがよいと思われがちな土壌も、家庭菜園の場合、作物が栽培される作土層、農器具などを使って緻密にしておく鋤床層、そして下層土による立体構造が必要だという。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」