正月に読みたい特選小説

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 暦に恵まれ、昨年に続き、いつもよりも長い正月休み。読書家には、暖かい家にこもって物語の世界にどっぷりと浸れる至福の時となるに違いない。そこで、時間をかけて堪能したい大作から、旅のお供にもなってくれる佳作まで、正月休みに読みたい特選小説5冊を紹介する。

■「教団X」中村文則著
 楢崎は、自分のもとから突然去った涼子が、ある教団に出入りしていると知り、訪ねていき、教祖と思われる松尾への面会を求める。
 応対した峰野らによると、ここは宗教団体ではなく、松尾も教祖ではないが、月に1回彼の話を聞きに多くの人が集まっているという。
 涼子の写真を見せると、峰野らの顔が曇る。涼子は、資産家の松尾を架空の投資話でだまし、資産を奪った一味の一人だという。沢渡という男が率いる一味は名前がなく、公安から教団Xと呼ばれるカルト集団のメンバーらしい。松尾の屋敷を後にした楢崎は、接触してきた女に導かれ、教団Xの施設へと案内される。
 米紙「ウォールストリート・ジャーナル」年間ベスト10小説に選ばれるなど、いま世界で注目される作家が、人間とは何か、神とは何かという根源的な問いに挑んだ500ページを超える巨編。

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