冬の京都の路地を歩こう!編
真の京都を味わうなら、観光客の少ない冬こそおすすめだ。静けさを取り戻した観光スポット巡りもいいが、“通”を気どるなら、大通りから一本入った路地裏細道の散策がいい。古き良き都らしさが残り、地元民の生活感が漂う、オツな京都らしさを楽しめる――。
京都は「碁盤の目」に造られてきた町だが、その合間には車も入り込めないような細い道が無数に存在する。そんな中を探索し、地元に愛される小さな寺社や土産物店、飲食店を60軒紹介した本が出た。柏井壽著「京都の路地裏」だ。
著者は京都市内で歯科医院を開業する傍ら、京都の魅力を伝えるエッセーを書いてきた生粋の京都人。京都では「路地」を「ろーじ」と言う。歯を「はぁ」、木を「きぃ」と言うのと同じ、間延びした物言いだが、物事を柔らかく和やかにさせる効果があると説く。「『ろーじ』には人の温もりのようなものを感じる」という著者が、その温もりとともに、京都の隠れスポットをつづっている。
祈願にうってつけなのが、清水寺近くの「善光寺堂」前にたたずむ、不思議な“首回り地蔵”。「先ずは一礼。おもむろに両手で地蔵さまの頭を持ち、ぐるりと首を一回転させてから、願い事を唱えると、たちどころにその願いが叶う」で、「恋心を寄せる相手のほうに首を向けて願うと恋愛が成就する」そうだ。