電話で顧客の質問や苦情などに対応するコールセンターは、雇用情勢が厳しい地方への進出が歓迎されている。だが、オペレーターにとってはストレスが大きく、離職率は高い。電話1本の処理時間は7分で、目標は1時間8・5件。電話を取るなり「ぶっ殺す」と言われたり、「原発再稼働が許せない」など的外れなことで怒鳴られることもあるが、〈お客さまは神様〉なので耐えるしかない。しかも、オペレーターは正社員でなく時給制の契約社員で、高度な専門知識が必要なのに、会社の都合で簡単に雇用が打ち切りになる。日本社会を支えるオペレーターの過酷な実態をえぐるルポルタージュ。(朝日新聞出版 1200円+税)