「物欲なき世界」菅付雅信著
最近、雑誌やデパートが狙うものが変わってきた。扱うのはファッションなどの単なる商品ではなく、衣・食・住を単体でとらえずにひとつのライフスタイルとして提案するという方向性が出てきている。
その背景には、今の若者がモノを欲しがらなくなったという現象がある。モノを所有することにこだわらず、共有しようとする。クルマや住まい、そして子育てさえもシェアリングしようとするのである。収入を増やすために長時間働くより、自分の時間を取り戻し、新しい豊かさ、〈プレニテュード〉を求めるようになる。
現在進行中の〈物欲なき世界〉を知るための一冊。
(平凡社 1400円+税)