「テクノロジー 見るだけノート」山形浩生、安田洋祐監修

公開日: 更新日:

「衛星コンステレーション」や「テレマティクス保険」「AIスコアレンディング」などの用語をご存じか。目にしたことはあっても、その意味を正確に説明できる人は、そう多くはないのではなかろうか。

 日々、進展するテクノロジーによって社会が大きく変わりつつあり、それとともに関連するさまざまな用語が飛び交っている。本書は、そうした「知っているようで知らない」最先端のテクノロジーを解説してくれるビジュアルテキスト。

 冒頭の「衛星コンステレーション」は、地球の低軌道上に小型の通信衛星を打ち上げ、アンテナを必要としない通信環境を目指す方法。現在、1000を超えるベンチャー企業が参入を始めている宇宙ビジネス業界。そのひとつ、スペースX社の進めるスターリンク計画では、最終的に1万2000基の通信衛星を打ち上げ、砂漠地帯や未開拓地なども網羅する汎地球的規模のインターネット網を構築する予定だという。

 一方の「テレマティクス保険」は、自動車に搭載された通信機能によって蓄積された走行データに基づき運転手ごとに保険料を算出する保険。

「AIスコアレンディング」は、AIが顧客のデータを分析し算出したスコアを基に、与信枠や金利を決定する融資のこと。

 こうした「宇宙ビジネス」や「AIとビッグデータ」の他、「モビリティ」や「医療技術」など9つの分野におけるテクノロジーを取り上げる。

 DNAをデジタルデータの記録媒体にする技術や、遺伝子操作された微生物の農業への利用、ロックオンしたターゲットを追尾して仕留めるペンサイズの「自動追尾弾丸」など、胸躍る未来技術から戦争関連まで幅広く網羅。新しいビジネスのヒントや可能性が見つかるビジネスマン必読の書だ。

(宝島社 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」