「お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした!」プチ鹿島著
ハト派の宏池会所属の岸田文雄が、自民党総裁選で勝利した。議員票で圧倒した理由を朝日新聞は、安倍、麻生、甘利が結束したからだと書いた。このザワザワする感じは既視感がある。
1994年、自民党に担がれて首相となった社会党の村山富市は自民党と連立を組み、所信表明で「自衛隊は憲法の認めるものだ」と明言した。だが、基本政策の大転換は身内の支持を失い、社会党の衰退を招く結果に。
著者は「岸田文雄=村山富市」説を掲げて憂慮する。だが、もともと日和見主義的な政治姿勢で、出馬会見で二階幹事長の再任拒否という先制パンチを放ったのも、単なる「天然」のなせるわざらしい。
日本政治の実態を暴く。
(文藝春秋 1760円)