「懐かしの児童書コレクション」前田尋之監修

公開日: 更新日:

「学研 まんがひみつシリーズ」を覚えておられるだろうか。日本初のこの学習漫画シリーズは、1972年に刊行が始まり、なんと半世紀を過ぎた現在も形を変えながら続いているという。

 もともとは学習研究社が発行する学年誌「(1~6)年の科学」や「(1~6)年の学習」に掲載されていた各学年の学習指導要領に合わせた学習漫画を単独の出版物として発展させたもの。

 テーマも小学生の関心が高い、「からだ」や「地球」「昆虫」など学習図鑑でも定番の題材をラインアップしている。

 同シリーズは、勉強に役立つうえに知識・見識を広げる有用な書籍として、漫画でありながら、学校の図書室や学級文庫にも置かれた稀有な存在で、学校で堂々と読める漫画として人気を集め、それで覚えている人も多いのではなかろうか。

 同シリーズのように、昭和40年代から50年代にかけて、子どもたちを夢中にさせた懐かしの児童書の数々を集め紹介するビジュアルムック。

 ひみつシリーズの記念すべき第1作は、宇宙がテーマ。主人公の星一少年とオーストラリア出身の少女ジュリがアンドロメダ星雲から来た宇宙人ピコと宇宙や太陽系の秘密を探るストーリーになっている。以降、丸ごと一冊チューインガムの秘密に迫った2000年刊行の最終巻まで旧シリーズ76巻をすべて網羅。

 他にも、学習図鑑の体裁ながらその内容は表向きのテーマとは大きくかけ離れた空想イラストが占めるトンデモ児童書「なぜなに学習図鑑」(小学館 1970年 全28巻)や、オカルトだけをテーマにした怪奇系児童書「ドラゴンブックス」(講談社 1974年 全11巻)など。少年時代に夢中になって読んだあの本と再会できるかも。

(ジーウォーク 2200円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…