「イラストで見る UFOの歴史」アダム・オールサッチ・ボードマン絵と文 ナカイサヤカ訳
NASA=アメリカ航空宇宙局は、UFO(未確認飛行物体)などの正体不明の現象について科学的に調査する研究チームを立ち上げると発表。ということは、やはり我々が考えている以上にUFOが目撃され、これ以上、無視できなくなったということなのだろうか。本書は、古代から現代までの人類とUFOとの関係を振り返るビジュアルブック。
そもそも、ピラミッドやナスカの地上絵、モアイ像など、古代人が知るはずもなかった工学的知識による遺跡や宇宙人らしいものを、地球外生命体と人類が交流した証拠だと説く人もいる。また、妖怪や悪霊などが登場する各国の民話や神話が、実は宇宙人と出会った体験を語っていると信じる人たちもいる。
そうした古代人と地球外生命体のあったかもしれない接触を思わせる痕跡から、時系列に紹介。
1947年6月24日には、現代UFO史の始まりといわれる事件が起きる。自家用小型機で飛行中のアーノルド氏が、アメリカ西海岸のレーニア山付近で9つの飛行物体を目にする。動くその物体を「パイ皿」のような形と説明したアーノルド氏の目撃情報から「空飛ぶ円盤」という言葉が生まれたという。
その直後には、ニューメキシコ州ロズウェルで墜落した謎の物体の残骸が発見される。さらに10年後、ブラジルで農民が着陸した円盤に引きずりこまれ、医療処置の被験者にされ、女性宇宙人と性的関係までもったという初のアブダクション(宇宙的誘拐)が発生する。
ほかにも多くのエピソードを紹介するとともに、目撃された宇宙船やエイリアンのタイプや容姿など、さまざまな視点から歴史を振り返る。
NASAの調査結果が出るまで、心の準備をしておいたほうがよさそうだ。
(マール社 1870円)