「はじめてのメダカ」 チャーム監修

公開日: 更新日:

「はじめてのメダカ」 チャーム監修

 日本人には身近な存在だったメダカだが、環境の変化や外来種によって野生の生息数が激減、いまやレッドリストに登録された絶滅危惧種だ。一方で、観賞魚として人気になった江戸時代にはすでに品種改良がはじまり、今ではさまざまな体色や形の品種が生み出され、飼育ブームは続いている。

 本書は、初心者向けにメダカ飼育の魅力と楽しさを教えてくれる指南書。

 メダカは水温の変化に強く、特別な手間をかけなくても元気に育つ。

 野生では群れで行動し、水温が10度以下になると活動が低下して冬眠状態になるそうだ。そうしたメダカの生態などの基礎知識をまずは解説。

 環境の変化に強いメダカは、室内だけでなく、ベランダや庭など屋外での飼育も可能で、さまざまな飼い方ができるのも魅力のひとつ。

 屋内、屋外、それぞれでのメリット・デメリットから、道具の準備など飼育法をいちから教授。

 メダカといえば、黒メダカ・白メダカ・青メダカ・ヒメダカの定番種が思い浮かぶが、各ひれが長く黒系メダカの中でも最も黒い「サタン」という希少種には目を奪われる。ほかにも、赤・白・黒の三色と背中に青白い光が発現する「体外光」が特徴で、ひれ先までライトブルーが光り輝く「銀麟紅玉」などの希少種まで、泳ぐ宝石とも呼ばれるその美しいメダカたちを図鑑形式で紹介する。

 繁殖力が強くタフなメダカは、繁殖にも適しており、新しい品種の創出に挑戦もできる。

 その具体的な方法から、メダカを愛でるためのアクアリウムならぬ「メダカリウム」や水生植物と組み合わせたオリジナルの「ビオトープ」のススメなど、その楽しみ方は無限に広がる。

 メダカを飼いはじめた人たちは、口をそろえて「知れば知るほど好きになる」というそうだ。そんなメダカ沼へのお誘い。 (エクスナレッジ 1650円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?