神保彰さん「ブルー・シャトウ」がドラマー目指すきっかけに 箸で茶碗叩き母親に叱られた
伝説のバンド「カシオペア」で10年
櫻井さんには「また一緒にやろう」と言われました。その時はいわゆる社交辞令と思っていたのですが、後から電話がかかってきて「家に遊びに来ない?」というので行ってみたら、カシオペアのリーダーの野呂一生さんもいて「今度カシオペアのドラマーがやめるから入らないか」と誘われまして。多分イベントでやった感触がよかったんだと思います。
もっとも、プロになるんだみたいな気持ちはまったくなかったんですが、入った途端にカシオペアがブレークし、いろんなお話がまとまりだして。大学4年で同級生が就職面接を受ける時期だというのに、ロサンゼルスでレコーディングすることも決まり、物理的に就職は無理なので、なし崩し的にプロの道を歩み始めることになりました。
カシオペアではメンバーとしては1980年から90年までの10年。
■「世界が尊敬する日本人100人」に
今はワンマンオーケストラという、ドラム1人でのパフォーマンスを中心に活動しています。ドラム一つ一つにセンサーがついていて、叩くとその振動を感知してあらかじめプログラムしておいた音が鳴るという仕掛けです。ドラム1人だけど、バンドやオーケストラがやっているようなサウンドになる。そういうスタイルでやっている人が他にいないので面白がられ、いろんな国で開かれるドラムフェスに出かけてパフォーマンスしました。
2007年にはニューズウィーク「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれました。音楽はユニバーサルなもので、言葉の壁を越えて、どんな国の人ともアクセスできるのが素晴らしいですね。
11日には33枚目のアルバムを発売しました。ドラマーのアルバムって珍しいでしょ(笑)。タイトルは「燦燦」。太陽が燦々と輝いているようなイメージのアルバムに仕上がりました。
(聞き手=峯田淳/日刊ゲンダイ)