神保彰さん「ブルー・シャトウ」がドラマー目指すきっかけに 箸で茶碗叩き母親に叱られた
中学の入学祝いに父からドラムセットが
父は楽器好きでしたが、さすがに家にドラムはなくて、僕はお箸で茶碗を叩いたりしていました。母親には怒られましたけど。でも、中学に入るとそんな僕を見て入学祝いに初心者用の一番リーズナブルなセットを買ってくれたんです。茶碗を叩く姿を見て「この子にはドラムの才能があるかも」と父が思ったようです。
ただ、その時はすぐに飽きてしまった。次のきっかけは高校2年生の時。クロスオーバーやフュージョンのドラムの第一人者として知られるスティーブ・ガッドの演奏をたまたま聴いて、しびれてしまいました。ブルー・コメッツじゃないけど、演奏はまずドラムが土台になって成り立っていると思いました。FMから流れてきたスティーブ・ガッドの演奏の入ったレコードを買いに行き、それを擦りきれるくらいまで聴き、耳コピーしてドラムを叩いていました。あんなふうに叩けるようになりたいと強く思いましたね。
本格的に始めたのは大学(慶応)のビッグバンドサークルに入ってからです。転機は3年生の時。渋谷に109というファッションビルができたというので、オープニングイベントでそのサークルが演奏することになりました。
その時のベーシストは4年生で、ちょうど就職面接と重なってしまい、急に来られなくなってしまいました。1年生にもベースの人がいたけど、まだ人前で演奏するレベルではないからどうするとなって、メンバーの一人が、同じゼミにカシオペアのベースの櫻井哲夫さんがいるからトラ(助っ人)で来てくれないか頼んでみるという話になりまして。櫻井さんは快く引き受けてくれて、イベントでは僕も一緒に演奏して盛り上がりました。