伊東ゆかりさん つらい時おいおい泣きながら聴いた「ボーイ・ハント」

公開日: 更新日:

伊東ゆかりさん(歌手/75歳)

 ジャズ、ポップス、歌謡曲など幅広いジャンルをこなし、「小指の想い出」の大ヒットで知られる伊東ゆかりさん(75)。年明けには歌手デビュー70周年&レコードデビュー65周年のアニバーサリーイヤーを迎える。歌手生活で大きな影響を受けたのは、多くの歌手がカバーしている「ボーイ・ハント」「ヴァケイション」のコニー・フランシス。「ボーイ・ハント」は1992年の紅白でも歌った曲だ。

 ◇  ◇  ◇

 ミュージシャンだった父の影響で私が歌うようになったのは子供時代から。映画「戦場にかける橋」のテーマ曲「クワイ河マーチ」でレコードデビューしたのが58年です。その時に所属したのは発足して間もない渡辺プロダクションでした。63年には中尾ミエさん、園まりさんと私の3人が「森永スパーク・ショー」というTV番組に出演して、「スパーク3人娘」として人気になりました。

 中学生の時は、一応アイドルだったので、学校に行くと窓から顔を出した生徒にキャーキャー騒がれる。すると風紀を乱すという理由で、学校が受け入れてくれなくて、義務教育なのにいくつも学校を渡り歩きました。高校はどうにか初台にあった学校が卒業させてくれたけど。私は悪い仕事をしてるの? 学校に行きたいのにダメなの? というストレスはものすごかったですね。

 その頃はポップス全盛時代です。私たちは外国の曲に日本語の歌詞をつけたものを歌っていました。訳詞は安井かずみさんが多かったですね。渡辺プロの資料室みたいな場所にコニー・フランシスのレコードがあって、聴かされました。歌っていると社長の渡辺晋さんが「君たちの日本語はなってない。何を伝えているかわからないから、コニフラの日本語を聴いて勉強しろ」って叱られて。当時は社長の家に下宿していて、学校や職場でつらいことがあった時は、帰ってからドアの鍵を閉めておいおい泣きながらコニー・フランシスの曲を聴いていました。

 コニフラの日本語は片言で変なところもあったけど、それがかわいらしかった。歌詞もはっきりしていて柔らかい感じがしました。よく聴いたのは「ボーイ・ハント」です。それから「ヴァケイション」「カラーに口紅」「セコ・ハン・ラヴ」かな。あの頃の私は「日本のコニー・フランシス」って思っていました(笑)。

 憧れのコニーさんに会えたのは17歳の時です。サンレモ音楽祭に出ることになってイタリアに行きました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松本人志「事実無根」から一転、提訴取り下げの背景…黒塗りされた“大物タレント”を守るため?

  2. 2

    島田洋七が松本人志復帰説を一蹴…「視聴者は笑えない」「“天才”と周囲が持ち上げすぎ」と苦言

  3. 3

    人気作の続編「民王R」「トラベルナース」が明暗を分けたワケ…テレ朝の“続編戦略”は1勝1敗

  4. 4

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  5. 5

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  1. 6

    松本人志が文春訴訟取り下げで失った「大切なもの」…焦点は復帰時期や謝罪会見ではない

  2. 7

    窪田正孝の人気を食っちゃった? NHK「宙わたる教室」金髪の小林虎之介が《心に刺さる》ファン増殖中

  3. 8

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  4. 9

    菊川怜が選んだのはトロフィーワイフより母親…離婚で玉の輿7年半にピリオド、芸能界に返り咲き

  5. 10

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇