金曜ナイトドラマ「JKと六法全書」の面白さは、ヒロインが体現するギャップにある
朝ドラ「虎に翼」の主人公、猪爪寅子(伊藤沙莉)のモデルは三淵嘉子。戦前に女性初の弁護士となり、戦後は判事を務めた。女性の法曹界進出における先駆者だ。
そして2024年、ついに女性弁護士ならぬ「JKB=女子高生弁護士」が登場した。「JKと六法全書」(テレビ朝日系)の桜木みやび(幸澤沙良)である。
確かに、司法試験の受験や弁護士資格には年齢制限がない。みやびは祖母である桜木華(黒木瞳)が経営する法律事務所に所属。高校の制服のまま法廷に立っている。
このドラマを駆動しているのは、ヒロインが体現する「ギャップ」の面白さだ。
ごく普通の女子高生がヤクザの組長になる「セーラー服と機関銃」や、不良女子高生が刑事になった「スケバン刑事」などと同様、女子高生と弁護士の組み合わせもかなりトリッキーだ。
みやびは、これまでに詐欺事件や殺人事件などを扱ってきた。日常ではちょっと地味めな高校生である彼女が、法廷では堂々の弁論で被告の無罪を勝ち取っていく。このギャップが見る側に快感を与えるのだ。
思えば、8年前の「咲-Saki-」(MBS・TBS系)で、天才的な「女子高生雀士」に扮して注目されたのが浜辺美波だった。
みやび役の幸澤は今回が主演第2作。2つの顔を持つ17歳を生き生きと演じており、今後が期待できそうだ。