「認知症」発症の真犯人説 脳を壊すタンパク質“タウ”って何?

公開日: 更新日:

 また、異常な構造に変化すると本来の機能とは全く別の毒性をもって神経細胞そのものを死に至らしめるという。

「これまでアルツハイマー型認知症の主犯は老人斑のもととなるアミロイドβと呼ばれるタンパク質が有力でした。最初にアミロイドβが細胞の外に蓄積し、それが原因で細胞の中にタウが蓄積する。その結果、神経細胞が死に絶え、認知症が発症すると考えられてきました」

 ならば、脳内のアミロイドβを除去すれば認知症は防げる、そんなコンセプトで世界中の学者や製薬会社が認知症治療に取り組んできた。しかし、複数の研究でアミロイドβの量を減らしても認知症の進行は阻止できなかった。

「つまり、アミロイドβの蓄積は認知症の症状やその進行とはあまり関係しないのです」

■実験ではポリフェノールやカテキンに抑制効果

 一方、タウの蓄積と神経細胞死、さらには病状とその進行は、複数の研究によって強い相関関係が証明されているという。


「しかし、なぜ、タウが異常になるのか、神経細胞を次々と伝播して広がっていくのか、などはまだナゾのままです。ただ、アミロイドβが蓄積せずに、タウだけが異常になって蓄積してくる認知症があります。若年性認知症の一種であるピック病がそれで、まだ働き盛りの40~60代に多く、性格変化や抑制が利かない行動をする症状が表れたりします。また、転びやすくなったり、運動機能の障害が先に出る前頭側頭型認知症もあります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 2

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 3

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  4. 4

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  5. 5

    「クスリのアオキ」は売上高の5割がフード…新規出店に加え地場スーパーのM&Aで規模拡大

  1. 6

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  2. 7

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  3. 8

    189cmの阿部寛「キャスター」が好発進 日本も男女高身長俳優がドラマを席巻する時代に

  4. 9

    PL学園の選手はなぜ胸に手を当て、なんとつぶやいていたのか…強力打線と強靭メンタルの秘密

  5. 10

    悪質犯罪で逮捕!大商大・冨山監督の素性と大学球界の闇…中古車販売、犬のブリーダー、一口馬主