「貧乏ゆすり」は悪癖にあらず 長時間座位の死亡リスク減少
実際、座っている時間が長い人は、糖尿病や心血管疾患の発症リスクを高め、死亡リスクが上昇することが知られている。糖尿病専門医の辛浩基氏(しんクリニック院長)はこう説明する。
「座っている姿勢では、脳などから足の筋肉に送られる電気信号がストップして代謝機能が下がります。それが長時間になれば、肥満につながります。また、長時間座っていることによって動かさない足の筋肉が脂肪化していき、血糖値を下げるインスリンをきちんと利用できなくなってしまう。そうしたことから、2型糖尿病の発症リスクがアップするのです。座っている時間が長い人は、糖尿病発症リスクが91%上昇するという報告もあります」
■ウオーキングと同じ効果
他にも、長時間座っているとホルモンの分泌に悪影響を及ぼして中性脂肪を燃焼する効率が低下したり、善玉コレステロールを減少させる。血管の機能が低下して血液の循環が悪化し、心臓に負担がかかるなどの悪影響があることもわかっている。米国の研究では、座っている時間が長い人は、あまり座らない人に比べ、心臓発作や脳卒中などの心血管疾患による死亡リスクが18%、がんの発症リスクが13%上昇すると報告されている。