リウマチ予防で注目 「女性ホルモン」補充療法の可能性
それ以来、リウマチと更年期の研究を続け、閉経前はピル、閉経後はHRTがリウマチを予防するとの結論に至った。
「リウマチの発症は40~60歳女性に圧倒的に多い。更年期に近くなると女性ホルモンの量の変動が激しくなり、閉経による急激な減少と関係していると考えています」
最近、エストロゲンにはリウマチをはじめとする自己免疫疾患を抑制する働きがあると、海外の研究者からも発表があった。また、日本ではリウマチ患者の男女差が大きく、これは女性ホルモンとの関係が考えられるが、HRTを意欲的に行う欧米、オーストラリアでは、HRTで更年期以降もエストロゲンの量を保つことで、リウマチ患者の男女差が日本ほどではない。
そもそも更年期の症状に関節症状がある。これについても認知度が不十分なのだが、更年期による関節症状であれば、HRTで改善できる。診断が難しくリウマチへ移行する可能性のある関節症状も改善できる。
なお、更年期の関節症状へのホルモン療法、ピル処方はいずれも健康保険が適用される。