機能低下につながることも 避けるべき「肝臓に良い」食べ物
世間一般で長らく信じられている「健康知識」の中には、意外に間違った情報が少なくない。そのひとつが、「肝臓に良い食べ物」。「レバー」「シジミ」「ウコン」をいまだに「肝臓の機能アップにつながる」と考えて積極的に取っている人もいるが、人によっては肝機能の低下を招きかねない。
肝臓は現在わかっているだけで体の中で500種類以上の役割を担い、基礎代謝の3割近くを占める重要臓器だ。その機能低下は、体の不調にとどまらず、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる重大病を引き起こす。だからこそ、昔から肝臓の機能アップの食べ物がもてはやされてきたわけだが、どうやら世間で肝臓に良いとされる食べ物は、人によっては悪い、ということがわかってきた。
「食品で肝臓に良いといわれるものがありますが、その多くは俗説です。医学的根拠はありません」
こう言うのは日本肝臓学会専門医で、「吉田内科クリニック」(横浜市青葉区)の吉田秀樹院長だ。
「レバー」「シジミ」「ウコン」は肝臓の機能が落ちている人は避けた方がいいという。「これは、肝臓の専門医なら誰でも知っていること」というから驚いた人もいるのではないか。