ビールにあらず…痛風で怖いのは生活習慣と体質だった
「確かに、ビールはお酒の中ではプリン体が一番多く含まれていて、ビール500ミリリットルに17~22ミリグラムといわれています。しかし、これはステーキやレバーなどに比べればはるかに低い。気にする量ではありません」
では、なぜ「ビールは痛風の天敵」といわれるのか?
「ビールに限らずお酒は尿酸値を上げやすい。尿酸排泄作用が低下するうえ、含まれるプリン体は体内に吸収しやすいからです。さらに、ビールには食欲増進効果があり、焼き肉やお刺し身などプリン体が多く含まれる食べ物と合う。そのためビールを飲んで食べていると結果的にプリン体を多く体の中に取り込むことになるのです」
■牛乳が効く
しかし、プリン体が多く含まれる飲み物や食べ物を取ったからといって痛風を引き起こしやすいというのは事実なのか。
「プリン体の7~8割は細胞核を分解する過程で生成され、食べ物によるものはせいぜい2~3割に過ぎません。体内で作られるプリン体には2つあって、細胞の新陳代謝に伴って産出されるものと、急激な無酸素運動によって作り出されるものがあります。つまり、プリン体を多く作る原因は食べ物以上に日頃の体の動かし方などにあるのです」