汗かかず夜中トイレは要注意 「夜間熱中症」はこう防ぐ
「日中は強い日差しを避けてクーラーの効いた部屋で過ごす。だから熱中症は心配ない」――。そう思っている人は考えを改めた方がいい。年間5万人以上が救急搬送される熱中症は、3割超は屋内で発症する。しかも、亡くなる人の多くは夜、寝ている間に発症するという。気温が下がるはずの深夜から明け方にかけて起きる夜間熱中症。防ぐにはどうしたらいいのか? サラリーマンの病気に詳しい弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。
「夜間熱中症になりやすい人は、汗をかかない高齢者や逆に汗を出し過ぎる乳幼児、普段からエネルギー消費が大きい肥満の人、下痢や嘔吐をして水分が抜けている人です」
いずれも体温調節が得意でない人たちだが、普段から汗をあまりかかず、夜中におしっこに行く人も夜間熱中症のリスクが高くなるという。
「汗は、蒸発するときに体の表面の熱を奪い、体温を下げる働きがあります。汗の量が少なく夜中におしっこに行く人は、体内の余分な水分(汗)を使って体温を十分下げることができない人です。その分、熱中症になってしまう可能性があるのです」