ビールにあらず…痛風で怖いのは生活習慣と体質だった
しかも、最近わかってきたことは尿酸を上げる主な原因は「体内から排出する力」であり、それは男女差や体質が大きく影響するということだ。
「痛風は圧倒的に男性に多い病気です。女性は女性ホルモンのおかげで腎臓から尿酸を排出する力が男性より優れているからです。東大の研究グループにより、尿酸の排泄に関する遺伝子ABCG2遺伝子が変異を起こすことで、腎臓から尿酸を体外に排出しにくくなることもわかっています。また、痛風の患者さんの60%は肥満。肥満になると尿酸の排出量が減り、肥満を治すとそれが戻ることがわかっています」
つまり、ビールを飲んだからといって、尿酸を排出する力さえ整っていれば痛風の発症リスクを大きくアップさせるものではないともいえるのだ。
とはいえ、痛風はさまざまなリスク要因の積み重ねで起きるため、リスクは減らした方がいい。
「痛風が気になる人はビールを飲むときには、血中の尿酸値を下げる働きのある野菜や海藻、酢の物などのアルカリ性食品をおつまみにするといいでしょう。また、飲酒後はお酒と同量程度の水を飲んで、尿酸の排出を促すべきです。果物の果糖や清涼飲料水や缶コーヒーなどに含まれるショ糖も尿酸値を高くします。日頃からこれらを控えるのも手です」