最も人件費が高い女子医大 医療経費は聖マリアンナが高い
一般私立病院の人件費率(全収入に対する人件費の割合)は50~55%。医療経費率(医薬品、医科材料、外部委託費など)は30~35%ほどです。この2つの数字が高くなるほど、赤字の危険が増してきます。しかし数字を低く抑えてしまうと、人手不足や医療の質の低下を招きます。私立医科大学の人件費率はどうなっているのでしょうか。〈表〉にまとめました。
大学全体の数字なので、教養や基礎医学系の教員、大学運営の事務職員など、病院と直接関わらないものも含まれていますが、誤差範囲として目をつぶることにします。全体的に人件費率が低いことが分かります。一般病院よりも10ポイントほども低くなっています。
2016年度の事業収支が好調だった埼玉医大は41.6%で、他大学と比べて低いわけではありません。独協医大は40%に達していませんし、慈恵医大も低めです。このなかで唯一赤字だった女子医大の人件費率は45.6%と、もっとも高い数字を示しています。特定機能病院の指定取り消しが赤字の原因といわれていますが、むしろ高い人件費率が、業績の足を引っ張っているのかもしれません。