死因はがんに続き2位 ホントは怖い糖尿病の感染症
さらに痛みを感じる神経が障害されるため感染症対策が遅れ、重症化しやすい。インスリンを効きにくくするサイトカインなどが多く産生されるため、血糖値が高くなり、普段より感染症を進行させやすくなるという悪循環にも陥る。
「糖尿病の人が、とくに注意しなければならないのは、切断につながる足の感染症のほか、『尿路感染症』『上気道炎、肺炎、結核』『歯周病』『胆のう炎』などです。『尿路感染症』は女性に多い感染症で、尿道から感染し、膀胱炎、腎盂炎、腎盂腎炎と重症化していきます。陰部のかゆみや排尿痛、残尿感、頻尿、尿の濁りなどの特徴があり、腎盂炎などが重症化すると腰痛、発熱が起こります」
■もっと敏感になるべき
糖尿病の悪化で神経障害が出ている人は、より尿路感染症のリスクが高くなる。健康な人は排尿後、膀胱内はいったん空になるが、自律神経障害があると尿意をもよおさなかったり、排尿時に膀胱が十分収縮しない。その結果、膀胱内に常に尿が残った状態になる。
「同じ理由で、胆のう炎も発症しやすくなります。自律神経障害で胆のうの収縮が不十分になると、胆のう内に胆汁が残る。そこに細菌などが繁殖するからです」