多くが悩む「ふるえ」って何? 症状や治療法を専門医解説

公開日: 更新日:

 前述の通り、本態性振戦は姿勢・運動時のふるえで、パーキンソン病は安静時のふるえだが、時に見分けがつきにくい。「ダットスキャン」や「MIBG心筋シンチグラフィー」という画像検査、脳血流の検査や小脳・基底核、前頭葉のGABA機能を見る検査が見分けに役立つ。本態性振戦は遺伝子の異常との関係も近年指摘されており、家系の病歴が診断の手がかりになることもある。

「本態性振戦では、ある種の高血圧治療薬やてんかん治療薬が効果的です。日常生活に支障をきたすほどふるえがひどい患者さんでは、脳にペースメーカーのようなものを埋め込み、ふるえを止めるDBS(脳深部刺激法)の治療が検討されることもあります」

 一方、パーキンソン病では薬物治療が中心。原因は解明されていない部分もあるが、神経伝達物質の異常で不足した脳内ホルモンを薬で補う。

 残念ながらどちらも完治は難しい。ただ、ふるえの多くを占める本態性振戦は良性の疾患で、患者の中には「病名が分かっただけで安心した」と言い、薬を飲んでいないのに「症状が軽減した」と報告する人もいる。

 また、パーキンソン病も現在は複数種類の症状改善薬があり、うまく付き合っていくことが可能だ。

「不安やストレスがあるとふるえなどの症状が強く出る傾向があります。患者さんには病気のことをしっかり理解してもらうことが、病気と付き合っていく上で重要です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗