誤嚥性肺炎では抗菌薬を使わない治療も選択肢のひとつ

公開日: 更新日:

■歌や会話が予防法

 そもそも誤嚥肺炎は、食べ物が気管に入り込んで起こると思っている人が多いが、1回誤嚥したくらいではほとんど起こらない。高齢者が“治りにくい誤嚥性肺炎”になる原因は、のみ込む嚥下能力の低下。寝ている間でも慢性的に唾液などを誤嚥しているのだ。

健康な人でも寝ている間に誤嚥しますが、それを寝返りや咳で解除しています。ところが高齢者は嚥下能力の低下で誤嚥しやすい上に、それを解除する咳反射も低下することで自覚のないまま慢性的な誤嚥を繰り返してしまうのです」

 嚥下能力は「のどの周りの筋肉」と「神経調節」の働きで行われている。神経調節では、嚥下反射(反射的に気道を閉じ食道を開く働き)をスムーズに行うために脳内で分泌されている「サブスタンスP」という物質が必要になる。ところが高齢者はうつや不眠などで、精神安定剤や抗不安薬、睡眠薬などの薬を飲んでいることが多い。これらの薬は、サブスタンスPの分泌を減少させてしまうという。脳梗塞の既往があると誤嚥性肺炎を起こしやすいのも、神経調節が障害されるためだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋