米国の裁判がきっかけ…やはりコーヒーは健康に悪いのか
「コーヒーには、約1000種類もの化学物質が含まれています。アクリルアミドはそのひとつにすぎませんし、それだけを取り上げてコーヒーは体に良くないとするのは間違っています。あくまでもトータルで考えるべきです。これまで、適度なコーヒーの摂取が健康に有害であることを示す科学的な研究はありません。逆に近年は、他にコーヒーに含まれている物質による健康効果が相次いで報告されています」
2017年に医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に掲載された研究によると、妊娠中と閉経後の女性の場合を除き、1日3~4杯コーヒーを飲む人は、それほど飲まない人と比較して、動脈硬化の病気で死亡するリスクが20%近く低下していた。また、がんになる人も20%弱少なくなっていて、総死亡のリスクも17%低下していた。
■「がんリスク軽減」の報告も
45万人以上を対象にした大規模な健康調査でも、「コーヒーをたくさん飲む人の方が総死亡リスクが10%程度低下した」という結果が出ている。
また、国立がん研究センターの調査では、コーヒーをほとんど飲まない人に比べ、毎日飲む人は肝臓がんの発生率が約半分になり、毎日5杯以上飲む人は約4分の1に抑えられることがわかっている。