精子は数より動き ため込むより週1、2回は放出すべし
健常な夫婦が普通に性生活をしていれば、3カ月以内で約50%、6カ月以内で約70%、1年以内で90%近くが自然妊娠に至るとされる。女性の排卵は月1回しかないが、「普通の性生活」とは、どれくらいの頻度でセックスをすることを指しているのか。男性不妊治療専門施設「恵比寿つじクリニック」(東京)の辻祐治院長が言う。
「基本週2回です。妊娠率は、排卵チェッカーやタイミング法などがなかった昔に比べれば上昇していますが、性交頻度と妊娠率が比例することには変わりがありません。子作りしてるといいながら性交渉は月1回というような、回数が足りない夫婦も多いです」
しかし、今と昔で大きく違うのは「晩婚化」。女性は35歳くらいから加齢による卵子の質の低下で急激に妊娠しにくくなる。一方、男性の精子の質は一般的には40歳くらいから低下する。もともと精子を作る力が弱い男性だと、35歳くらいから精子の劣化が始まるという。女性が35歳以上の夫婦だとすると、男性の方が年上の場合が多いのでダブルで妊娠しにくくなるというわけだ。
それと勘違いしやすいのは、1回のセックスで数多くの精子を子宮に送り込もうとして禁欲期間を長くしてしまうこと。子作りを考えているのなら、セックスをする、しないにかかわらず、最低でも週1、2回は射精して常に新鮮な精子を用意しておいた方がいいという。