子作り治療 最前線
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妊孕性温存療法 女性は患者によって3つの凍結方法がある
がん治療を行うと、抗がん剤や放射線の影響で生殖機能に障害をもたらす可能性があり、年齢や治療内容によっては妊孕(にんよう)性(妊娠のしやすさ)を完全に失う場合もある。しかし、小児・若年がんでは、がん治…
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がん治療の前に…精子や卵子を凍結保存するのが常道です
「白血病」「悪性リンパ腫」「脳神経系腫瘍」が半数以上を占める「小児・若年がん」の罹患数は年間5万人を超え、近年増加傾向にある。35歳未満の「若年性乳がん」の発症(乳がん全体の約3%)も少なくない。 …
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提供精子を用いた非配偶者間人工授精 国内で1万人が誕生
精液中に一匹も精子が見当たらない「無精子症」。いまは手術用顕微鏡を使って精巣内から直接精子を回収する最先端の治療法も行われているが、それでも精子が得られない場合がある。 他に治療法がない無精…
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代理出産の最新事情 日本は養子縁組が必要で1回700万円以上
「代理出産」とは、お子さんを望む夫婦の受精卵(胚)を第三者の女性(代理母)の子宮に移植し、妊娠・出産を試みることをいう。 一般に、女性の子宮に問題があって、自らの子宮で妊娠・出産ができない場合…
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第三者からの卵子提供 日本人夫婦は年間700~800組が利用
子宮自体には問題がないのに、何らかの原因で妊娠可能な卵子が得られないことがある。中でも、晩婚化などにより、子供を望んだ時には既に年齢的に卵子の数や質が低下(卵子の老化)し、妊娠に至らない女性が増えて…
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新型出生前診断<2>あくまで非確定的検査 陽性なら羊水検査
胎児の染色体疾患を調べる出生前診断は、「命の選択」につながるなど倫理的課題があるため、高年妊娠などハイリスク妊婦を対象とする特別な検査だ。 国内では、2013年4月から「新型出生前診断(NI…
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新型出生前診断<1>採血のみで3種の染色体疾患を判別
国内の出生児の3~5%は、何らかの先天性疾患をもって生まれてくる。そのうち25%程度が染色体の異常によって起こる「染色体疾患」だ。代表的なのが「ダウン症候群(21トリソミー)」(全体の53%)、「1…
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早発閉経でも年齢相応の妊娠率へ 卵子を凍結保存する手も
通常、女性の閉経は50歳前後に起こるが、40歳未満で無月経になるのが「早発閉経」だ。原因は、染色体異常、自己免疫疾患、手術や放射線治療による医原性など多岐にわたり、卵子の源である卵巣内の原始卵胞が急…
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無精子症でも精巣から精子を直接取り出せば子供はできる
射精した精液中に一匹も精子が見当たらない「無精子症」には、「閉塞性」(全体の2割)と「非閉塞性」(同8割)の2種類がある。 前回紹介したように、精巣で精子は作られているが、精子の通り道(精路…
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検査で精子が見つからなくてもあきらめてはいけない
男性不妊外来の初診患者の約20%が「無精子症」とされている。精液検査で精子が一匹も見つからないのだ。しかし、そう簡単にあきらめてはダメ。2回、3回と精液検査を繰り返すことが大切になる。独協医科大学埼…
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顕微鏡用いた「低位結紮術」で精子異常男性の6~7割が改善
精液検査で精子に異常が見つかると、4割以上は原因不明(特発性)だが、約3割は「精索静脈瘤(りゅう)」によるものだ。 精巣の静脈が逆流し、ブニュブニュした瘤(こぶ)のようなものができる。一般的…
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精子の「質」を落とす犯人は活性酸素 検査法と不妊治療法
男性不妊で精液検査を行うと、精子に異常が見つかることが多い。特に「数が少ない」「運動率が低い」「正常形態が少ない」ことが多く、この3つを総称して「OAT症候群」と呼ばれている。 原因は、精索…
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男の子が希望なら射精後30分は結合したまま安静に
欲しい性別の子供を産みやすくさせる「産み分け法」。夫婦が家庭で行った場合の成功率は60%とされる。どんな流れで行うのか。不妊治療専門施設「はらメディカルクリニック」(東京都渋谷区)の原利夫院長が言う…
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男女の産み分けは本当に可能なのか 人口授精なら80~90%
晩婚化で妊娠までのチャンスが減るほど、「もう、1人しか産めないかもしれない。可能なら望む性別の子供が欲しい」と思うのは自然な感情だろう。 自然の状態で生まれてくる子供の性別の出生比率は、女の…
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女性にとって40代前半は妊娠の「最後のチャンス」
不妊の最大の原因は加齢。30代後半の女性の自然妊娠率は15%ほどだが、40歳以上になると一気に5%に低下する。不妊治療専門施設「はらメディカルクリニック」(東京都渋谷区)の原利夫院長は「女性にとって…
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「タイミング法」を試すなら朝方に愛のあるセックスを
女性の月1回の排卵に合わせてセックスをする「タイミング法」。女性が35歳くらいまでであれば、とりあえず半年くらい試してみるといい。しかし、妊娠率を高めるにはコツがある。 不妊治療専門施設「は…
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正しい「タイミング法」は 月経が始まって12日目がベスト
妊活を始める際に、「基礎体温を測る」や「タイミング法」という言葉をよく耳にする。自然妊娠を高めるために行うことだが、男性もよく理解していないと失敗する。不妊治療専門施設「はらメディカルクリニック」(…
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男性不妊で注目される「精巣静脈瘤」とは なぜ起こるのか
厚労省の「男性不妊の調査」(2015年度)によれば、男性不妊症の原因の割合は「造精機能障害」(82.6%)、「性機能障害」(13.5%)、「精路通過障害」(3.9%)とされている。ほとんどが精子を作…
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男性不妊予防はパンツから 元気のいい精子にはトランクス
一般的に、男性の精子の質の低下は40歳くらいから始まる。加齢による劣化は仕方がないとしても、子供を望むなら精子を作る働きを低下させる生活上のリスクはできるだけ避けたい。それにはどんなことに気をつけれ…
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精子は数より動き ため込むより週1、2回は放出すべし
健常な夫婦が普通に性生活をしていれば、3カ月以内で約50%、6カ月以内で約70%、1年以内で90%近くが自然妊娠に至るとされる。女性の排卵は月1回しかないが、「普通の性生活」とは、どれくらいの頻度で…