遺伝子検査は心臓疾患の予防にも大いに役立つ
■リスク因子を把握
たしかに、遺伝子検査は心臓疾患の予防に対してかなり有効だといえます。そもそも、心臓疾患は「家族歴」が発症に大きく関わっているといわれているからです。海外の研究では、両親がともに心臓疾患の人は、そうでない人に比べて2倍も心臓疾患を発症しやすいと報告されています。また、片親だけが心臓疾患の場合には、父親よりも母親が心臓疾患である人の方が、そうでない人に比べると発症率は1・5倍だったこともわかっています。子供は両親から何かしらの心臓疾患のリスク因子を引き継いでいて、それは世代を経るごとに濃くなっていくと考えていいでしょう。
もっとも、心臓疾患そのものが遺伝と関係があるというよりは、心臓疾患のリスク因子が大きく影響しているといえます。心臓疾患の代表的なリスク因子は「高血圧」「高コレステロール」「高血糖」です。いずれも生活習慣病といわれるもので、これらの因子が重なれば重なるほどリスクはアップしていきます。こうしたリスク因子と、似通った生活習慣が伝わることで、子供は心臓疾患を起こしやすくなってしまうのです。