がん検診の見落としを防ぐプラスアルファの検査と工夫
■便潜血検査は保冷剤と一緒に持ち運ぶ
乳、胃、大腸、肺、子宮頚部のがんを合わせて5大がんと呼ばれる。世界的に検診の有効性が証明されているが、これも受け方にはコツがあるという。
たとえば、大腸がんの早期発見に欠かせない便潜血検査。2日分の便をこすり取るアレだ。2回ずつを3年続ければ、発見率は計算上97%にハネ上がるというが……。
「便に含まれる血液は高温になると、細菌に分解されます。つまり、何らかの異常で出血していても、常温で持ち運ぶと、本来は『陽性』なのに、細菌分解で『陰性』と判定されるリスクがある。採便後は冷蔵庫に保存して、保冷剤と一緒に持ち運ぶことです」
便潜血検査を受けていながら、進行した大腸がんが見つかった。そんな人は、細菌分解の影響を受けた恐れがある。
胃がんは、バリウム検査より胃カメラだ。
「胃がんの原因は、9割以上がピロリ菌感染。そこに塩分過多の食事やストレスが重なって発症します。感染がベースですから、除菌した上で、1年に1回胃カメラ検査を受けるのがベター。それなら、進行の速いスキルス性胃がんも早期発見できます」